石段のぼれば御霊神社 旧燈明寺の往時をしのぶ

燈明寺(東明寺)の創建については奈良時代とする説と平安時代とする説があります。 鎌倉時代末頃に整備されましたが、その後は荒廃と再興を繰り返したようです。『拾遺都名所図会』巻之四に１８世紀末の燈明寺の全容が描かれていますが、三重塔は大正三年に、本堂は昭和五七年に横浜市の三渓園に移され(いずれも重要文化財)、今に残るのは寛文一二年(一六七二)に建てられた庫裏と、鎮守社であった御霊神社です。 本堂の跡地には昭和六〇年に収蔵庫が建てられ、観音像５軀を初めとする文化財が収納されています。一般財団法人川合京都仏教美術財団が維持管理しており、毎年文化の日前後に数日間公開されています。