『源氏物語』を締めくくる最後の十帖の主な舞台となった宇治は、千年もの時を経てなお親しまれるいにしえの風情をたたえる町です。

2023年12月に開催した写真ワークショップ「わたしの宇治十帖」では、源氏物語に取り上げられた宇治の歴史や魅力に迫るレクチャーや、写真の鑑賞や撮影技術を本格的に学び、ミラーレス一眼カメラを手に市内を歩いて見つめなおしました。そして“今伝えたい宇治の魅力”を、参加者一人一人がカメラのファインダーを通じて捉えました。宇治上神社や朝霧橋、宇治十帖モニュメントなど宇治ゆかりの風景を捉えた視線はまさに十人十色です。

本展では、写真ワークショップに参加した子どもから大人まで約100名の方々による写真作品を紹介します。色とりどりの写真作品はまさしく現代写真絵巻です。宇治公園ほか市内各所に設けられた展示会場を巡りながら、物語と現実のはざまを渡り歩くように、歴史を紡ぐ宇治の魅力をお楽しみください。